意外と事前準備が多いドメイン移管の手順について説明したいと思います。武田です。
ウェブサイトのリニューアルやサーバ移転に伴い、ついでにドメイン移管を行う方も多いのではないでしょうか。新しいウェブサイトのデザインや構築に気を取られてついつい後回しにしてしまいがちなドメイン移管も、きちんと手順を把握しておかないと「これじゃ間に合わない!」という事態に陥ってしまうので注意が必要です。
ドメインを今まで管理していた事業者から新しい事業者に移すドメイン移管。
何をいつまでにどうすればいいのか、スムーズに移管するために役立ててもらえればと思います。
ドメイン移管の流れについて
決定版と書いておきながら、ドメイン移管の細かな流れはケースバイケースです。
なぜならドメインの種類(JPかどうか等)やドメイン管理業者(以下レジストラ)によって手続きやかかる日数が異なるためです。
そのためまずは大まかな流れを把握し、移管元と移管先のそれぞれが、各レジストラに1つずつ確認しながらステップを踏んでいくことが大事です。
1. ドメイン移管の条件を確認する
実はドメインには移管できるかどうか条件があります。まずは条件を満たしているかを確認しましょう。特に気を付けたいのは「ドメインの残りの有効期限」で、もし有効期限が満たされていない場合は「ドメイン更新」の手順を踏まなくてはいけません。
レジストラ | jp以外の場合 | jpの場合 |
---|---|---|
お名前.com | ・AuthCode(認証キー) ・トランスファーロックの解除 ・残り有効期限が15日以上 |
・残り有効期限が31日以上 |
ムームードメイン | ・AuthCode(認証キー) ・取得してから60日以上 ・残り有効期限が15日以上 ・トランスファーロックの解除 ・有効期限が9年未満 |
2019.10.15 現在
参考URL(お名前.com):https://www.onamae.com/campaign/acgsms/3rd_b/#flow
参考URL(ムームードメイン):https://muumuu-domain.com/?mode=transfer#bk-title-transfer-lp
2. 移管までの手続きとスケジュールを移管元と共有する
ドメイン移管には移管元と移管先の両方が手続きを行わなくてはなりません。
そのため、スムーズにドメイン移管を行うためには双方の情報共有は必須です。
ドメイン事業者のヘルプページやサポートを利用して流れをきちんと把握したうえで、移管元と必要な手続きやスケジュールの擦り合わせを行います。
ドメイン管理会社によっては毎週水曜日に移管承認処理を行うという少々トリッキーな対応を行う会社もありますので、予定がズレこむことが無いようきちんと把握しておきたいところです。
3. ドメイン移管の手続き
事前準備が整ったら移管元と移管先のそれぞれが移管の手続きを行います。
各手順での手続きは日を跨ぐことが多いので、忘れることがないよう注意です。
移管元と移管側双方での手順
ドメイン移管の全体の流れを把握したら、もう少し詳しい手順を確認していきます。
移管元と移管先の双方でステップを踏まなくてはいけなかったり、レジスト側での処理が平日のみだったり数日かかったりと、ドメイン移管は時間を有するものですので、余裕をもって進めるためにも事前に手順をしっかりと把握しておきたいところです。
jp以外のドメインにて、不正な移管を防ぐためのロック機能がついている場合は、それを解除する手続きを行います。大抵はコントロールパネルから解除ができます。
JP以外のドメインにて大抵の場合、ドメイン申請の許可を求めるメールがWhois情報を元に送られます。Whois情報に登録されているメールアドレスが、レジストラなど自分が受信できないメールアドレスの場合は申請に対して許可できませんので、事前に有効な(メール受信ができる)メールアドレスに変更しておきます。
jp以外のドメインでは、移管申請を行う際に「AuthCode」という認証キーが必要になります。移管元で取得したのち、移管先に教えてあげます。移管先はその教えてもらったAuthCodeを利用して移管申請を行います。
ドメインを移管するための申請手続きです。上記のような事前準備が整ってから行います。この手続きが完了後、移管先にメールが届く流れになりますので、いつ頃移管申請を行うかだけでも双方で共有しておきましょう。
これはレジストラによって異なる部分ですが、ドメイン移管に費用が発生し、費用を支払い終わってから手続きに進む業者もあります。特に銀行振り込みの場合はタイミングによっては入金確認が来週になってしまうなんてこともあり得ますので、地味に注意が必要なポイントになります。
jp以外の場合、大抵は移管先からWhois情報に記載されているメールアドレス宛に許可を求めるメールが届くようになっています。メール内容に従ってドメイン移管の許可を行います。
必要な情報や時間について
ドメイン移管には大体2週間くらいかかります。自社サイトのウェブ担当者の方も移管を任された制作会社の方も、まずは必要な情報を確認しましょう。
チェック項目 | 時間 | 内容 |
---|---|---|
ドメイン移管可能かどうか | 1日~ | ・ドメインの有効期限 ・レジストラロック ・Whois情報 |
ドメイン移管の事前準備 | 1日~ | 【移管元】レジストラロックの解除 【移管元】Whois情報の変更(メールアドレス) |
AuthCodeの取得と連絡(jp以外) | 1日~ | 【移管元】AuthCodeを取得して連絡したかどうか 【移管先】AuthCodeを連絡して貰ったかどうか |
スケジュールの共有 | 1日~ | ・各手続きがどれくらいかかるか ・いつ移管申請するか |
移管申請の手続き | 1日~ | 【移管先】ドメインの移管申請 |
移管申請の手続きの許可 | 1日~ | 【移管元】ドメインの移管申請 |
ドメインの種類やレジストラによって気を付けること
繰り返しになりますが、ドメイン移管の手続きはドメインの種類やレジストラによって異なります。細かいところは各レジストラに確認するのがベストですが、基本的なことから特に注意が必要だったりトリッキーなところを紹介したいと思います。
汎用JPドメインの移管について
汎用JPドメイン(.jp)と都道府県型JPドメイン(hokkaido.jp等)の場合、ドメイン移管の方法は2つあります。ドメイン登録者は複数JPドメインを管理することができ、汎用JPドメイン等は登録者番号と紐づいています。
その登録者を変更する場合(ドメイン移転)と、ドメインを管理する業者を変更する場合(指定事業者変更)の2通りになります。それぞれ手続きが異なりますので注意が必要です。
- ドメイン移転:登録者を変更するので登録情報が変わる
- 指定事業者変更:登録情報は変わらずレジストラが変わる
通常は手続き後、レジストラがJPドメインを管理しているJPRSに申請し承認/不承認の結果を受け取ることになり、10日前後かかります。
同じレジストラ同士の移管について
システム上の問題なのか何なのか、同じレジストラ同士の移管はしばしば手続きの流れが異なります。また、レジストラによって移管できない場合もあるので注意が必要です。
レジストラ | レジストラ同士の移管手続き |
---|---|
お名前.com | 「お名前ID付け替え」により可能 |
ムームードメイン | 「ドメイン譲渡手続き」により可能 |
スタードメイン | 不可 |
エックスドメイン | 不可 |
2019.10.15 現在
まとめ
ドメイン移管の手順についてまとめてみました。ドメイン移管元・移管先とのやり取りが必要だったり、手順を踏まないといけなかったりと面倒なことも多いですが、きちんと把握した上で取り組めばスムーズに進みますし、手続きもレジストラ側の処理が時間かかるだけで実際の作業はほんの少しで終わると思います。
今回はドメイン移管の手順のみを紹介しましたが、これにDNS変更やレコード修正などが絡んでくるともっとやることが増え、事前準備が大切になってきます。早め早めの対応をして後で慌てないためにも、ドメインを移管することが決まったその日から手順を確認してみるといいかもしれません。